職場復帰支援の第4ステップとは?|最終的な職場復帰の決定

前回の記事では、
第3ステップ 職場復帰の可否の判断と職場復帰支援プランの作成についてご紹介しました。

職場復帰が可能と判断され、職場復帰支援プランが作成されたら、
次は事業者が最終的な職場復帰を決定します。

この決定は、労働者にとって今後の働き方を左右する重要な手続きです。

この記事では、厚生労働省の
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(以下「手引き」)」に基づき、
第4ステップで行う職場復帰決定の流れや就業上の配慮、関係者の役割について
分かりやすく解説します。

目次

ポイント

この記事のポイントはこちらです。

  • 事業者が最終的な職場復帰を正式に決定する
  • 産業医等の意見を踏まえて就業上の配慮を確定する
  • 決定内容を本人・管理監督者・関係者で共有する
  • 主治医とも情報共有し、復職後の支援につなげる

事業者が最終的な職場復帰を決定する

第3ステップでは、職場復帰が可能かどうかを評価し、職場復帰支援プランを作成しました。
第4ステップでは、これらの内容を踏まえ、事業者が最終的に職場復帰を決定します。

この決定は、労働契約にも関わる重要な判断であるため、
社内の手続きに従って適切に行うことが大切です。

産業医等が選任されている事業場では、産業医等が作成する
「職場復帰に関する意見書(様式例3)」をもとに、関係者で内容を確認しながら進めます。

労働者の状態を最終確認する

最終決定の前には、現在の健康状態をあらためて確認します。

  • 病気の再燃・再発がないか
  • 症状は安定しているか
  • 回復状況に大きな変動がないか

これまでの情報収集や評価に加え、職場復帰直前の状態を最終確認します。

産業医等が職場復帰に関する意見書を作成する

産業医等は、これまでの評価結果を踏まえて、「職場復帰に関する意見書」を作成します。
意見書には、例えば次のような内容が整理されます。

  • 職場復帰の可否
  • 復職に関する意見
  • 就業上の配慮(時間外勤務・出張・交替勤務・作業転換等)
  • 措置を実施する場合の期間

この意見書をもとに、事業者は職場復帰支援プランや復帰後のフォローアップの内容を検討し、
最終的な職場復帰を決定します。

最終決定と就業上の配慮を関係者で共有する

産業医等の意見書の内容を確認したうえで、事業者が最終的に職場復帰を決定します。

決定後は、労働者へ職場復帰決定を通知するとともに、
就業上の配慮の内容もあわせて説明します。

管理監督者や人事労務担当者、事業場内産業保健スタッフ等は、
最終的な決定事項の内容を共有し、それぞれの役割に応じて支援を実施します。

また、職場復帰に関する意見書などの内容は、復職後の支援にも活用します。

なお、就業上の配慮は、
円滑な職場復帰と健康保持を目的として必要な範囲で行うことが重要です。

主治医との情報共有を行う

職場復帰の決定後は、
復職日や就業上の配慮の内容について、労働者を通じて主治医へ伝えることも重要です。

その際は、「職場復帰及び就業上の配慮に関する情報提供書(様式例4)」などを活用します。
情報共有により、次のような効果につながります。

  • 主治医が職場での対応を把握できる
  • 治療と仕事の両立を支援しやすくなる
  • 復職後の継続的な支援につながる

処遇を変更する場合の留意点

職場復帰に伴い、配置転換や業務内容の変更、人事労務管理上の変更を行う場合は、

  • あらかじめ就業規則等でルールを定めておくこと
  • 合理的な範囲で変更すること
  • 本人へ必要性を十分に説明すること

が重要です。
こうした対応は、職場復帰後のトラブル防止にもつながります。

中小企業ではどう対応すればよい?

中小企業では産業医等がいない場合もあるため、

  • 主治医の意見
  • 職場復帰支援プランの内容
  • 管理監督者や人事労務担当者の情報

などをもとに、事業者が総合的に判断します。
必要に応じて、地域産業保健センターなどの外部専門家へ相談することも有効です。

まとめ

第4ステップでは、
職場復帰支援プランや産業医等の意見を踏まえ、事業者が最終的な職場復帰を決定します。

また、就業上の配慮を関係者で共有し、
必要に応じて主治医とも情報共有し、復職後の支援を円滑につなげます。

次の記事では、
第5ステップ 職場復帰後のフォローアップについて解説します。

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この記事を書いた人

企業の健康管理室等で30年間、産業保健業務に従事。
健康管理、メンタルヘルス対策、安全衛生活動など幅広い業務に携わる。製造事業場では、特殊健康診断や職場巡視などの労働衛生業務も経験。
2026年、岡本労働衛生コンサルタント事務所を開業。
労働衛生コンサルタント|保健師|キャリアコンサルタント

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